タバコを炙ると軽くなるのか

人からもらったタバコを吸う前にライターで炙る人がいる。なぜそんなことをするのか?と聞くと、「きついタバコはクラクラするから。こうするとタールが減って軽くなるんだよ。」との事。
なんだか信じられない話だ。私はタバコを吸わないが、クラッとするのはニコチンのせいだろう。軽くなるっていうのは思いこみなのではないか?プラシーボ効果みたいに。それにタールっていろんな化学物質を一括してタールと呼んでるんじゃないのか。それってライターで炙った熱で減少するの?計測してないから本当にタールが減少しているかわからないだろう。と、考えていたが確信が無いので口には出さずにいた。なにせタバコを吸った事がないのでタバコに関する知識があまりない。おかしいんじゃないかと思いつつも、間違った事を言ってバカにされるのは嫌だなぁと弱気になっていた。私は卑怯な上に小心者なのだ。
すると、喫煙者の中にも同じように考えている人がいて「なんでタールが減ったってわかるんだよ。思い込みじゃないの。」と反論した。そうそう。とココロの中でうなずく私。しかし、炙る人は「全然違うんだって試してみてよ。」と食い下がってくる。試しに吸ってみた人によると「味は違うけどタールが減っているかって言われるとわからない。」と言う。当たり前だ、そもそもタールの多い少ないでタバコの味がどう変わるか、という基準なんて誰も持ってないと思う。しかし、炙る人は「ほら違うでしょ。味が変わるんだって。」とタールのことはどうでもいいような曖昧な言い方に変わっていた。うやむやなまま会話はそれで終了。
タバコは吸わないけど、味が変わるのが何となくわかった。炙ることによって何かしらそういう変化はあるのだろう。もしかしたらきついタバコも吸いやすくなるのかもしれない。でも、私が知りたいのはタールが減るのか?って事。きっと減ってないんだろうな。だってタールが減るってわかっていて、なおかつ不味くならないんだったら、健康志向の人向けに「低タールの焙煎タバコ」とかいって発売されていてもおかしくない。検索してみたがそんな物は無いようだ。無いってことはビジネスチャンスか?とちょっと浮かれそうになるが、冷静に考えるとタールが減ったとしても、そもそもタバコの製造販売は出来ないし、炙るだけならライターで事足りる。色々想像を膨らませてしまったが、ここには何も生まれないようだ。