あやうく大惨事

帯広出張していたHさんが「最近面白いことありました?」と聞いてきた。彼はいつも面白いことがないか聞いてくる。何かあった?じゃなくて「面白いこと」限定だ。そういう聞き方はハードルが高くなっちゃうからちょっとやめて欲しい。でも、何か無かったか思い出す。もっとコネタをストックしておかなければ・・・。とりあえず思い出すまでのつなぎに「Hさんは出張中何か無かった?」と聞いてみた。大抵「いや〜特にないですね。」と答える彼だが、今回は違った。
出張での仕事は橋の計測だったのだが、Hさんは出張先が地元で子供の頃よくこの辺で遊んでいたそうだ。冬には川幅の狭めの氷がはった所を渡ったりして。仕事の空き時間にみんなで橋から下に降りてそんな子供の頃の話をした。
  今、渡れるかな?いや危ないでしょ。氷の色が違うよ。薄いんじゃない?
その日の最低気温はマイナス22℃。Hさん以外の人は否定的だった。しかし、Hさんは子供の頃出来たからやってみたくなり、渡っている途中に川に落ちてしまったというのだ。にこにこしながら。
「それは面白いことじゃないよ。危ないじゃん!」と言ったら「でも片足ですし。」と笑顔。翌日阿寒湖でワカサギ釣りをしていた子供が落ちて亡くなっているのに。
そんなエピソードを出されては私の身の回りに起こった楽しいことなんか全然勝ち目がない。